新しい配偶者控除等申告書の書き方

posted by 2018.11.9

配偶者

 

 年末調整の書類が届くと年の瀬を感じて焦ってきますが、早い会社ではもう年末調整の記入書類が配られているかも知れません。

 今年は書く書類が1枚増えているのにはお気づきでしょうか。
去年までは保険料控除申告書と配偶者特別控除申告書が一体でしたが、今年から分離しています。
保険料控除申告書はスペースが広くなって書きやすくなってるのはいいとして、問題は配偶者控除等申告書

 これが笑ってしまうぐらい難しい。
所得税のすべてがここに詰まっていると言っても過言ではありません。
時期的にはちょっと早いですが、あまりに難しいので早めに書き方を解説していきます。

 

<ポイント>
・配偶者控除と配偶者特別控除が細分化して、控除額が所得に応じて33種類になっている。
・本人の所得と配偶者の所得の2つの軸で表に当てはめて計算。
・所得は提出時点で今年の分を見積もり。ずれが大きいと後日税務署から指摘があることも。

 

<書き方>
 申告書につけた番号順に埋めていきます。
本人には給料と不動産収入と副業(講演料)があって、配偶者は給料のみのケースです。

① 本人の給料の見積額

② ①-給与所得控除額(サラリーマンの経費。裏面に計算方法あり)

③ 給料以外の収入

④ 給料以外の収入の経費。不動産であれば固定資産税など。

⑤ 給料以外の儲け(③-④)

⑥ 本人の今年の所得の合計(②+⑤)。左上の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」に転記。

⑦ ⑥の金額が900万円以下(A)、900万円超950万円以下(B)、950万円超1000万円以下(C)の当てはまる欄にチェックして⑦にABCを記入。この時点で1000万円超であれば、適用がないのでこの先は計算する必要はありません。

⑧ 配偶者の給料の見積額

⑨ ⑧-給与所得控除額

⑩ 配偶者の今年の所得の合計。右上の「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」に転記。

⑪ ⑩の金額がその下の4つの区分のどれに当てはまるか判定して⑪へ記入。この時点で123万円超であれば、適用がないのでこの先は計算する必要はありません。

⑫ 下の表で縦軸⑦、横軸⑪で当てはめて、左2列に該当すれば配偶者控除が使えるので当てはまる控除額を記入。

⑬ 同様に右9列に該当すれば配偶者特別控除が使えるので当てはまる控除額を記入。

 

 記入方法自体も難しいのですが、見積もりで今年の所得を書いていくことがどこまで厳密に計算すればいいのか悩ましいところです。

 もし金額にずれがある場合は1月末までであれば年末調整のやり直しは可能です。
それでも間に合わなければ手間はかかりますが確定申告で訂正することも可能です。

 

 今までも扶養家族にならない人で扶養控除や配偶者控除を受けていれば、後日税務署や市役所から連絡があり、「控除が多すぎますよ」と指摘されることはありました。
ただ配偶者特別控除に関しては8段階あるものが少しずれている程度では連絡はなかったので、そこまでシビアではないと期待したいところですが、あとで税金を徴収されるのはやはり嫌なので、所得はなるべく正確に見積もるようにしましょう