株式投資と相続税の最終回は、暗号資産やＦＸについて取り上げます。

これらは株式投資とはちょっと毛色が違いますが、近年投資する人も増えているため、相続税での取り扱いを確認しておきます。

 

１．暗号資産

① 活発な市場が存在するもの（ビットコインやリップルなど）

・交換業者が公表する市場価格

② 活発な市場が存在しないもの

・内容や性質、取引実態を考慮して個別評価した価格

　②の方はよく分からない表現ですが、これから出てくるものもあるだけに画一的に評価することができず、その都度計算できるようにしています。
具体的には売買実例や専門家による査定額などによって評価していくことになります。

 

２．ＦＸ

　ＦＸ（外国為替証拠金取引）とは、外貨の値動きの差に投資する商品で、担保である保証金の何倍もの取引をすることができる信用取引の一種です。

・評価額＝ＦＸポジション＋－スワップポイント－証拠金

・ＦＸポジション：未決済建玉の時価（亡くなった日に決済したものとして評価）

・スワップポイント：利息（プラスもマイナスもあり）

　ＦＸは為替に投資する商品ですが、農産物や貴金属などの商品に投資する先物取引の場合も同様の評価を行います。

 

　暗号資産もＦＸも実態が分かりづらい特殊な取引きですが、取引業者から残高証明や時価評価額の書類をもらって評価します。

　なお、どちらもレバレッジの効いた商品で、放っておくとリスクが高いことから、早めに分割協議をしてタイミングを見極めて決済するようにしましょう。