某作曲家の相続問題がワイドショーを賑わせています。
何が論点なのかはそれぞれの言い分があるのでよく分かりませんが、気になったのは「株式8億円と印税1億円の50年分とを合わせて遺産約60億円」という報道。
60億円の遺産で相続人が妻1人子3人だと相続税は約30億円。
印税はこれから入ってくるものなのでとても払えません。
印税(著作権)の相続評価については単純に累積するわけではなく、”時間”も考慮します。
<著作権の評価方法>
年平均印税収入×0.5×評価倍率
<年平均印税収入>
過去3年の収入を平均します。
<×0.5>
評価の安全性と言われるもので、将来への推定が入る以上不確定な要素も多いので評価に幅を持たせて半分としています。
<評価倍率>
年平均印税収入がずっと続くものとして、その印税収入期間に応ずる複利年金現価率。
複利年金現価率とは将来入ってくる収入を金利で割り戻して積み上げたもので著作権の存続期間である50年の場合は46.946(平成30年6月分、7年超、0.25%)となります。
<印税収入期間>
期間については「著作物に関し精通している者の意見等を基とする」とされています。
法的には著作権の有効期間は死後50年ですが、収入金額は1億円が50年間ずっと続くとは限りません。
そこで収入期間の判断については専門家の意見も考慮されます。
<評価例>
1億円×0.5×46.946(50年続くと仮定)=23億4730万円
株式等10億円を合わせると相続税は約15.6億円。
約半分にはなりましたがそれでも多額です。
今後の展開も気になりますが、プロとしてはどう評価するか、どう納税するかが気になるところです。