サラリーマンの節税 ①特定支出控除

posted by 2018.09.27

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 サラリーマンの方、あるいは個人事業を法人化して役員になったから「何か節税の方法ないの?」と時々質問をいただきます。

 サラリーマンの収入は100%把握されるし、源泉徴収もされるしで収入に関しては対策のしようがありません。
役員報酬を下げて経費で生活する、という方もおられますが経費性がグレーですし、会社の業績も正しく表示されなくなってしまいます。

 となると控除(所得控除と税額控除)を増やすしかありませんが、もう1つ方法があります。

「特定支出控除」という方法で、サラリーマンにも経費を認めるものです。
昔からある制度ですが、給与所得控除(サラリーマンの概算経費)の方が大きいのと経費の幅が狭いことからほとんど使われていませんでした。
平成24年に改正されるまでは全国で年間数件しかなかったようです。

 

<平成24年改正>

① 範囲の拡大

≪従来≫
・通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任の帰宅旅費

≪改正で追加≫
・弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費
・勤務必要費(図書費・衣服費・交際費等)

※勤務必要費は年間65万円が上限で、内容に関して勤務先の証明書が必要。

 

② 金額基準の引き下げ

≪従来≫
・給与所得控除の総額以上(年収103万円なら65万円、400万円なら134万円)

≪改正≫
・給与所得控除の1/2以上

 

 この改正により少しずつ件数が増えて、平成29年は1618件の申告がありました。内訳としては、資格取得費が最も多く、研修費、帰宅旅費と続きます。

少しは使いやすくなったもののまだまだハードルは高いです。

 さらに普及させるべく、働き方改革の動きとあいまって平成30年に改正がありました。
長くなったので平成30年の改正内容は次回へ続きます。