税制改正大綱 ③ 基礎控除の引き上げ

posted by 2017.12.22

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 前回、給与所得控除の縮小を取り上げましたが、基礎控除が同額拡大され、基本的には税負担は変わらないようになっています。
また年収850万円以上で増税になることに関しても子どもがいる世帯などでは増税にならないような調整があります。

 

<基礎控除とは>

全ての納税者が収入から差し引ける控除金額。
元々は最低限の生活を維持するための金額を積み上げて計算していましたが、物価が安定していることもあり、現状の38万円は平成7年から変わっていません。

 

<改正の趣旨>(2019年~)

サラリーマンを前提に基礎控除は変えずに給与所得控除を拡大してきたもののフリーランスで働く人の増加や副業を認める風潮など働き方が多様化しているため、給与所得控除を10万円縮小し、その分基礎控除が拡大されます。
ただし超高所得者は減税する必要はないので基礎控除も縮小されます。
結果として通常のサラリーマンには影響はないものの高所得者は増税、個人事業主は減税となります。

 

<基礎控除の上限設定>

現状:一律38万円

・改正:合計所得金額に応じて段階的に縮小。

所得2400万円以下:48万円
所得2400万円超2450万円以下:32万円
所得2450万円超2500万円以下:16万円
所得2500万円超:0

合計所得金額2500万円(給料のみなら月額約217万円)超なら19万円の増税になります。

 

<所得金額調整控除>

年収850万円超のサラリーマンは増税されますが、子育て中など下記の世帯では現状と税負担が変わらないよう最大15万円の調整控除が導入されます。

・23歳未満の扶養親族がいる。
・本人が特別配偶者
・同一生計配偶者若しくは扶養親族が特別配偶者

 

 基礎控除は長年38万円で固定されていたので、ここを変えるといろんなところに影響が出てきます。
次回は関連して引き下げられた項目について見ていきます。