年金に増税?

posted by 2017.11.16

 年末の税制改正大綱発表に向けて税金のニュースが増えていますが、その中に年金への課税を強化するというものがあります。
年金から控除する「公的年金等控除」を見直して、高額所得者の控除を減らすという方向です。

 まずは現行の年金への課税を確認しておきます。

 

<年金の所得区分>

雑所得に該当し、所得控除を引いたあとの課税所得に所得税(5~45%)と住民税(10%)がかかります。

 

<雑所得の計算>

公的年金等-公的年金等控除

 

<公的年金等控除>

65歳未満なら70万円、65歳超なら120万円が最低金額なので、この金額までは税金はかかりません
それ以上の金額の場合は下記の早見表で所得を計算します。

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<公的年金等>

① 国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
② 過去の勤務により会社などから支払われる年金(上乗せの企業年金)
③ 外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で①に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの

 

<公的年金等に含まれないもの>

遺族年金

非課税なので所得税も住民税もかかりません。

生命保険会社の年金

公的年金等控除はありません収入金額から過去の保険料を年割にしたものを引いた金額が雑所得になります。過去の保険料については保険会社から送られてくる通知で確認できます。

 

 公的年金等控除の縮小は毎年のように税制改正の俎上に乗りますが、抵抗も強いだけになかなか実現していません。
今回は意気込みが強いようなので今度の動向に注目です。