ゴルフ会員権の税務 ① 購入~売却

posted by 2017.11.14

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 昨日のリゾート会員権の続きで今回はゴルフ会員権の税金について見ていきます。
リゾート会員権と似ていますが入会の仕方に違いがあることから税金の取扱いも多少違いがあります。

 

1.購入時

① 預託金制

預け金を入れて会員になり、施設利用権を取得します。
最も多い形態で日本のゴルフ場の8割は預託金制です。
購入時にかかる物件代金、入会金、名義書換料、業者手数料の全てを「ゴルフ会員権」として資産計上(無形固定資産)します。
利用権であるため償却はできません。

② 株主会員制

ゴルフ場経営会社の株主になることによって施設利用権を取得します。
株主としての権利行使や売買に関しては定款に定められたルールに従います。
経理処理上は「有価証券」になります。

③ 社団法人制

トランプ大統領もプレーした霞が関CCや関西では茨木CCなど名門に見られる形態で、社団法人の社員になることで施設利用権を取得します。
原則として譲渡ができず、一代限りです。
経理処理上は「ゴルフ会員権」になります。

 

2.利用時(リゾート会員権と同じ)

① 年会費・管理費

メインの目的が接待であれば「交際費」、従業員の福利厚生であれば「福利厚生費」として経費になります。
ほぼ役員が個人的に使用するような場合は「給料」に該当することもあります。

② 利用料

年会費と同様です。従業員が自己負担分を現地で決済するような場合は特に経理処理はありません。

 

3.売却時

① 法人

売却益は利益として課税され、売却損は経費になるので通常の売上や経費と取扱いは変わりません。

② 個人

売却益については総合の譲渡所得として取り扱われます。
短期(5年以下)であれば50万円を引いた金額、長期(5年超)であれば50万円を引いて1/2した金額に累進課税(5~55%)の所得税と10%の住民税がかかります。
不動産の譲渡に該当する場合は分離課税として短期であれば20%、長期であれば39%の所得税住民税が一定率でかかります。※別途復興特別所得税。

なお売却損については平成26年4月1日以降、他の所得と通算することができず、繰り越しもできません。

③ 預託金の返還

預託金制の場合は、売買以外でゴルフ場経営会社に返還するケースがあります。
この場合「預託金返還請求権」によって預託金を返してもらうことになりますが購入金額に満たない部分は損失になります。
法人の場合には経費になりますが、個人の場合は家事費であるため他の所得と損益通算できず経費になりません。

 

 ゴルフ場が破綻した場合の処理や相続税上の取扱いについては次回以降見ていきます。