株高などを背景に会員権市場が活況を呈しているようです。
1000万~数千万円する高級なリゾート会員権やゴルフ会員権が資産家や中小企業オーナーに購入される一方、100万円以下の手頃なものがリタイア世代に人気で成約単価は下がっており、二極化している状況です。
この会員権にまつわる税金はどうなっているのでしょうか。
リゾート会員権とゴルフ会員権で多少異なるところがあるのでまずリゾート会員権から見ていきます。
1.購入時
① 共有制
エクシブや東急ハーベストなど最も多い形態で、不動産の一部屋分を複数の会員で共有します。不動産の登記が必要で固定資産税もかかってきます。
購入時は不動産として資産計上し、建物部分は減価償却費として経費化していきます。
登録料や入会金、保証金も資産計上しますが、目減りするものではないので手放すまで経費化はできません。
② 含有制
会員全員で所有するものの登記はない形態です。
①共有性のように減価償却費や固定資産税は発生しません。
登録料等はありますが、①と同様、手放すまで経費化はできません。
③ 預託制
物件を所有せずに預託金を預けて施設利用権だけを取得します。
預託金は返還されるものなので解約するまで資産計上します。
登録料等は①②と同じく資産計上で手放すまでは経費化できませんが、保証金のうち返還されない部分は「繰延資産」として償却(通常5年)します。
2.利用時
① 年会費・管理費
メインの目的が接待であれば「交際費」、従業員の福利厚生であれば「福利厚生費」として経費になります。
ほぼ役員が個人的に使用するような場合は「給料」に該当することもあります。
② 利用料
年会費と同様です。従業員が自己負担分を現地で決済するような場合は特に経理処理はありません。
3.売却時
① 法人
売却益は利益として課税され、売却損は経費になるので通常の売上や経費と取扱いは変わりません。
② 個人
売却益については総合の譲渡所得として取り扱われます。
短期(5年以下)であれば50万円を引いた金額、長期(5年超)であれば50万円を引いて1/2した金額に累進課税(5~55%)の所得税と10%の住民税がかかります。
不動産の譲渡に該当する場合は分離課税として短期であれば20%、長期であれば39%の所得税住民税が一定率でかかります。※別途復興特別所得税。
なお売却損については平成26年4月1日以降、他の所得と通算することができず、繰り越しもできません。
次回はゴルフ会員権を見ていきます。