前回出産関連費用の医療費控除について見ていきましたが、給付金をもらった場合はどのような取扱いになるのでしょうか。
給付金の概要と共に見ていきます。
① 出産育児一時金
各種健康保険から一児につき42万円(双子なら×2)支給されます。
一旦払ってから加入している健康保険に申請する直接請求の他に、一旦立て替えることなく医療機関と健康保険の間でやり取りしてもらう直接支払い制度や受取代理制度があります。
② 育児休業給付金
産後8週を過ぎてからが育休期間になりますが、その期間の生活支援のために雇用保険から支給される給付金です。
原則として期間は1歳の誕生日まで、金額は給料の50%(最初の180日は67%)です。
③ 高額療養費制度
保険が効く医療費が自己負担限度額を超える場合に健康保険から支給されます(差額ベッド代いわゆる個室代は対象外)。
自己負担限度額は所得によって変わりますが、月57,600円あるいは80,100円という方が多いと思います。
④ 妊婦健診の補助
妊婦健診に係る費用を補填するために自治体から補助券が支給されます。
自治体によって異なりますが14回分で金額は平均で9~10万円です。
⑤ 特定不妊治療支援事業
厚生労働省が行なう不妊治療の助成で、体外受精や顕微授精に関して1回あたり15万円(初回30万円)が給付されます。
所得制限があり夫婦合算で所得730万円未満です。
<医療費控除>
①③⑤では受け取った金額を医療費から控除します。受け取った金額の方が多い場合であっても所得税は非課税です。
②は医療費を補填するものではないため医療費控除とは関係ありませんし、受取額に所得税もかかりません。
④は補助券であるため、税金の計算には影響しません。
<贈与税の非課税>
教育資金贈与の結婚・子育て・出産費用版として贈与税の非課税制度があります。
結婚費用の上限は300万円ですが、子育て出産費用に関しては不妊治療費も考慮して1000万円まで非課税となります。
なお贈与した父母や祖父母が亡くなった場合には残金が相続財産に算入されるため、相続対策にはなりません。
そのため教育資金贈与ほどヒットしませんでしたがまとまったお金を非課税で贈与できるのはメリットと言えます。
税金の話はさほどややこしくありませんが、給付金については改正も多く複雑です。
子どもが産まれてからだと手続きも大変ですので、産まれる前にできるだけ調べて準備しておきましょう。