遺産分割はいつまで?②

posted by 2015.03.13

 遺産分割の期限は相続税の申告期限である”亡くなってから10ヶ月以内”が基本です。
ただ話し合いがまとまらない場合は一旦未分割の状態で申告書を提出します。
そして次の期限は”申告期限から3年以内”です。
”亡くなってから3年以内”と勘違いしがちですが”申告期限から3年以内”です

 この3年以内は何かと言うと税法上の特典を受けるためのリミットです。

 税法上の特典として小規模宅地等の評価減配偶者の税額軽減があります。
前者は居住用や事業用の土地を維持しやすくするために50%又は80%の評価減を行なうもので、後者は配偶者が相続すれば1億6000万円までは相続税ゼロ、またそれ以上でも相続税は半分になる、というものです。
どちらも効果が大きく、相続税はかなり変わります。
これらは誰が相続するかによって適用が変わるだけに分割ができていることが前提です。

 なぜ3年以内かというと10ヶ月以内だと時間が足りないかも知れないが3年もあれば十分、という考え方なのでしょう。
3年以内に合意できれば更正の請求を提出して、未分割の仮の相続税を精算します。

 

 ではそれでもまとまらない場合は?

 

 裁判等で長期化している場合はさらに延長ができます。
3年を経過した日から2ヶ月以内「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出します。
あくまで申請なので税務署長の承認が出れば延長できます。

その後判決が確定するなど分割ができれば、分割の日から4ケ月以内に更正の請求をすることができます。

 

「3年」は相続税の特例を受けるための延長ですが、所得税にも関係してきます。
改正もあった所得税の特例については来週へ続きます。