どうせ売るなら3年10ヶ月以内

posted by 2015.03.16

 相続でもらった土地などを売ることがあります。

”どうせ売るなら亡くなってから3年10ヶ月以内が得”と覚えておきましょう。
申告期限から3年以内であれば払った相続税が売却の経費になり、譲渡所得税が安くなります。

 

 どういう理屈かを順に見ていきます。
譲渡所得を計算する場合には収入金額から仲介料などの譲渡経費と元々いくらで買ったかという取得費を引きます。
この取得費に払った相続税が含まれます。
その土地を手に入れるために相続税を負担した、という理屈です。
多少無理がありますが、相続税を払うために土地を手放すケースもあるため、税金を軽減してあげようという発想です。
3年10ヶ月以内というのは相続税の特例を受けるための期限とも連動しています。

 

 ただしその人が払った相続税全部を引けるわけではなく、売った財産に対応する分だけです。
売った財産は土地だけでなく、建物や株式などを売る場合もOKですが土地が特に優遇されていました。

 

<例>

相続税5000万円
相続財産5億円(土地A2億、土地B1.5億、株式1億、その他5000万)

 

①株式を売却

5000万円✕1億/5億=1000万円

 

②土地Aを売却

5000万円×(2億+1.5億)/5億=3500万円

土地の場合は売ってない土地Bも含めて計算します。
土地の場合、金額が大きく税負担も重いので軽減されていましたが、平成27年分から正味の割合に変わりました。

 

③土地Aを売却(平成27年~)

5000万円✕2億/5億=2000万円

この例では1500万円取得費が減るので譲渡所得税は300万円増えます

 

 理屈は分かるのですが税負担は確実に増えるので注意が必要です。
それでも”どうせ売るなら亡くなってから3年10ヶ月以内が得”というのは変わりませんので意識しておきましょう。