前回の続きで、従業員が株を買い取って事業承継する場合の方法を見ていきます。
創業家などの大株主から株を買い取る、ということ自体はシンプルな話ですが、株価が高いと従業員個人として用意するのは難しい面があります。
借入をするにしても、株式を購入するための資金は借入の審査が厳しく、借りられたとしても個人で返済していくのは大変です。
銀行から借入をするのが難しい場合は、会社が買い取り資金を貸し付けるケースもあります。
その場合は、社長就任後の役員報酬を高めに設定して、天引きする形で返済してもらうことになります。
この方法は、所得税住民税が高くなってしまうことと、会社としても経費が増えるので経営を圧迫する面がデメリットと言えます。
規模が大きめの企業の場合には、LBO(レバレッジドバイアウト)という手法を使うこともあります。
この方法は、買い取る対象会社の資産やキャッシュフローを担保として借入を行うもので、少ない資金をてこ(レバレッジ)にして買収をすることが可能です。
従業員によるLBOの場合、次のような流れとなります。
① 従業員が出資してSPC(特定目的会社)を設立
② SPCが買収対象会社の資産やキャッシュフローを担保に銀行から借入
③ SPCが株を買い取り
④ SPCと買収した会社を合併
⑤ 買収した会社が銀行借入を引き継いで返済
この方法は買収対象会社に安定したキャッシュフローがあることが前提となります。
一般的な中小企業でも可能な方法としては、株数を減らす、種類株式の導入、事業承継税制などがありますが、長くなるので次回へ続きます。


