前回の続きで暗号資産に関する所得税の改正について見ていきます。
2.所得税
① 内容
<課税方法>
・改正前:総合課税
・改正後:申告分離課税※
※対象に注意!
国内に上場されている暗号資産を国内取引所経由で売却した場合のみ申告分離課税の対象。
国内非上場の暗号資産や、海外取引所やDEX経由で売買した場合は従来の総合課税。
総合課税の所得が少なければ、従来の総合課税の方が税負担が少なくなることもあります。
<税率>
・改正前:累進税率 (15.21%~55.945%)
・改正後:一律 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
※対象は課税方法の注意点と同じ
<損益通算>
・改正前:総合所得の雑所得内でのみ可能
・改正後:特定暗号資産の枠内で可能となる見込み。上場株式やFXとは不可
<繰越控除>
・改正前:なし
・改正後:翌年以後3年間の繰越控除可
<源泉徴収>
・改正前:なし
・改正後:特定口座のような仕組みで源泉徴収され、申告不要となる見込み(制度設計はこれから)
② 改正時期
・改正金融商品取引法の施行日の属する年の翌年1月1日から(令和10年予定)
総合課税でものすごい高い税率が掛かっていたことを考えると画期的な改正ですが、分離課税20%の対象は国が支払調書で把握できる「特定暗号資産」に限定されており、それ以外は従来と変わらず総合課税のままとなります。


