従業員による事業承継 ④

posted by 2026.03.2

monogatari_inrou_mitokoumon

 先週からの続きで、従業員による事業承継のうち、一般的な中小企業でも使える方法を見ていきます。

 

1.株数を減らす

① 概要

 株価が高いと後継者が過半数の株を買い取るハードルが高くなります。
そこで株数自体を減らしてしまおう、という考え方です。

 

② 方法

 会社が引き継ぐ社長の株を買い取って自己株式にすることによって、株数の分母が減るため、後継者が過半数を取りやすくになります。
既に後継者がある程度の株数を持っていれば、分母を減らすことにより自動的に持株比率が高まるので、この方法は効果的です。

 

③ 課題

 株価が高い状態なので、会社が自己株式として買い取る際に多額の資金が必要となります。
会社としては手許資金が減少するため、経営的な体力は削られることになります。

 

2.種類株式の導入

① 概要

 株価と支配権を切り離して、支配権のある株式を従業員が買い取り、議決権のない株式を前オーナーの親族が相続で引き継ぎます。

 

② 方法

 黄金株として1株だけ強い株を作って後継者が買い取る、あるいは大多数の株を議決権なしにして議決権のある数株を後継者が買い取ります。
前オーナーの株の大部分は、議決権のない状態で親族に相続されます。
議決権がないので経営にはノータッチになりますが、その分配当を出して大株主に報います。

 

③ 課題

 1と違って承継時の必要資金が少ないのがメリットですが、配当を継続的に行っていく場合、その分の資金は必要になります。
また種類株式の導入自体に、株主総会の特別決議(過半数の出席+その2/3以上の賛成)が必要なので、大多数の株主の同意が前提となります。

 

 長くなったので事業承継税制については次回に続きます。