”年収の壁”の引き上げのニュースが昨日出ていました。
従来103万円だったものが令和7年から160万円になっていますが、これがさらに178万円になるようです。
いつから引き上げになるのか、所得によって減税の効果がどう変わるかなど詳細については税制改正大綱が発表されてから解説します。
今日はその前に今年の改正のイレギュラー対応について確認します。
基礎控除の引き上げなど様々な改正を年末調整で反映させていますが、今回特徴的なのは12月から変更になっていることです。
12月1日以降に給料の支払いがある人から変更なので、12月に給料がない次のような方は12月の年末調整では減税を考慮できていません。
① 年の途中で退職
② 年の途中で海外出国(年末調整は済み)
③ 年の途中で死亡(年末調整は済み)
④ 育休や病気などで休業中
①②③は本人が確定申告すれば減税を受けられます。
①はともかくとして、②③は年末調整で完結しているはずなのに、確定申告しない限り減税は受けられないので手間は増えます。
③については相続税にも影響します。
例えば1月5日に亡くなって、4か月以内の4月末に準確定申告をして還付になったとします。
還付所得税は相続財産になるので、相続税の申告(11月5日期限)の際に財産に含めて申告します。
その後、12月以降に更正の請求をすれば減税分を考慮できるので還付所得税は増えます。
すると相続財産も増えて相続税の修正申告も必要になります。
実際には相続税の修正申告が手間なので、所得税の更正の請求をしない方もおられるかも知れません。
なお、この修正申告は不可効力なので延滞税はかかりません。
さらにナンセンスなのが④です。
休業とは言え、年末に在籍しているので年末調整の対象になります。
ところが12月に給料の支払いがないので減税を考慮することができず、改正前の規定で一旦年末調整をすることになります。
その後本人が確定申告すれば減税分の還付を受けることができます。
理屈はこうなるんですが、システム的には対応が難しそうです。
1人だけ改正前の規定で年末調整するのが難しい場合は、手計算で対応しないといけないかも知れません。
減税はありがたいのですが、実務的な混乱はなるべく減らしてもらいたいものです。


