昨日は相続税の申告状況でしたが、今日は相続税の税務調査の状況について見ていきます(2024.7.1~2025.6.30)。
<実地調査>
・実地調査:9512件(前年比+11.2%)
・申告漏れ:7826件(前年比+ 8.7%)
・1件当たり申告漏れ:3093万円
・1件当たり追徴税額: 867万円
税務調査は申告してからだいたい1~3年後に来ます。
申告した方はここ3年ぐらい15万人前後で推移しているので15人に1人の割合で税務調査が来ていることになります。
そのうち8割以上で申告漏れがあったので、ある程度申告漏れのあたりをつけて調査に来ていることが分かります。
<簡易な接触>
・接触件数:21969件(前年比+17.0%)
・申告漏れ: 5796件(前年比+14.1%)
・1件当たり申告漏れ:511万円
・1件当たり追徴税額: 63万円
実地調査ではない文書、電話、税務署呼び出しによる確認も増えています。
申告件数の7件に1件は確認がある計算になります。
申告漏れの金額は実地調査に比べると大幅に少なく、相続人も気づかなかった少額の預金が漏れているようなケースが考えられます。
<贈与税>
・実地調査:2778件(前年比▲2.4%)
・申告漏れ:2582件(前年比▲1.8%)
・1件当たり申告漏れ:991万円
・1件当たり追徴税額:443万円
贈与税を申告している人は毎年50万人前後なので、調査に来る割合は1%以下で低めです。
9割以上で申告漏れが見つかっているので、申告した人と言うよりは無申告の人が多いと考えられます。
申告漏れの内容は預金と株で75%を占めていて、1件当たりの申告漏れ金額も合わせて考えると、1000万円程度の資金移動は簡単にバレるということが分かります。
<調査事例>
・相続前に多額の預金を引き出して自宅金庫に保管
・相続前に家族の口座に資金移動。被相続人のノートに家族預金を管理している記録あり
・海外の子会社に多額の送金(貸付金)。国内法人宛に返済させて相続財産から除外
・相続人全員が外国居住で連絡先不明だったが、帰国時に連絡をつけ実地調査
預金の申告漏れが最も多い点からも分かるように、相続人も含めた資金移動や預金残高を重点的にチェックしています。
相続人も関わって意図的に財産を減らしているような場合は重加算税の対象になり多額の罰金もかかりますので、税務署を甘く見ないようにしましょう。


