役員賞与は利益操作につながるため、支給しても経費になりませんが、事前に届けておけば経費にすることができます。
この「事前確定届出給与」に関して税務調査で意外な指摘を受けたので紹介します。
まずは手続きや税務への影響を確認します。
1.事前確定確定届出給与に関する届出
・提出期限:原則「株主総会決議から1か月以内」と「期首から4か月以内」のいずれか早い日
・社内手続:株主総会や取締役会で決議
2.賞与の支給時
・届出に記載した日に記載した金額ジャストを支給
・中途半端に支給すると支給額は経費にならない(損金不算入として別表加算)
・全く支給しなければ加算なし(0円は加算できない)
最後の全く支給しない場合ですが、会社の仕訳で言うと次のような考え方もあります。
(役 員 賞 与) 100万円 (未 払 金)100万円
(未 払 金) 100万円 (債務免除益)100万円
こうなると役員はもらってないのに所得税がかかり、会社は役員賞与は損金不算入になって免除益に法人税がかかることになります。
そんなアホな、とは思うんですが、考え方としては無くはないです。
ではどうすれば言いかというと次の通達がヒントになります。
・法人税基本通達4-2ー3(要約)
法人が未払給与につき取締役会等の決議に基づきその全部又は大部分の金額を支払わないこととした場合において、その支払わないことが業況不振等のためのものであり、かつ、その支払われないこととなる金額が一定の基準によって決定されたものであるときは、その支払わないこととなった金額については、その支払わないことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入しないことができるものとする。
・所得税基本通達28-10
給与等の支払を受けるべき者がその給与等の全部又は一部の受領を辞退した場合には、その支給期の到来前に辞退の意思を明示して辞退したものに限り、課税しないものとする。
つまり、役員からは「辞退届」を受け取り、会社では株主総会や取締役会で支給しないことを決議しておけば大丈夫ということになります。
考えてみると支給を決定するときに株主総会等で決議しているので、支給しない場合も決議する方が自然かも知れません。
必ず指摘されるわけではありませんが、議事録等を残せば回避できるリスクなので、支給しない場合も油断せずに手続きを踏んでおきましょう。


