上場株式の相続税評価について前回取り上げましたが、特殊な取引きとして信用取引があります。
信用取引とは、現金や株式を証券会社に預けて、それを担保にして証券会社からお金を借りて株式を購入する取引を言います。
少ない元手で大きな取引きができますが、その分損失も大きくなるのでリスクが高く上級者向けの取引きです。
信用取引をしていて、決済前に亡くなった場合は、買いと売りの状況に応じてそれぞれ次のように評価されます。
<買建て>(株を購入)
≪財産≫
・上場株式としての評価額(通常と同じで3か月終値で最も低い価格)
・逆日歩(売りと買いの差による受取利息)
・信用取引委託保証金
≪債務≫
・買建て金額(約定した買付け額)
・日歩(支払利息)
<売建て>(株を売却)
≪財産≫
・借株担保金
・日歩(受取利息)
・信用取引委託保証金
≪債務≫
・借株の評価額(相続日の終値)
・逆日歩(支払利息)
まとめると、株を貸すのか借りるのかという立場の違いによって財産か債務かが変わり、それに伴う利息も発生することになります。
ちょっとややこしいですが、実際には証券会社の書類を元に評価を行います。
今回はマニアックな内容になってしまったので、次回はもう少し馴染みのある投資信託を取り上げます。
(つづく)