長年仕事をしていても、予想外の素朴な疑問に虚を突かれることがあります。
昨日初めて聞かれて固まったのが、「ペットは同一生計なのに医療費控除できないの?」という質問。
法律的な回答としては、医療費控除は「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」が対象であり、ペットは親族というか人ではないため、医療費控除できない、ということになります。
税法はすべて”人”を基準に考えているため、ペットの取扱いはなかなか厳しいものがあります。
<所得税>
・扶養控除:対象外
・生命保険料控除:ペット保険は対象外
<消費税>
・売買 :モノの売買なので消費税の課税対象
・医療費:保険診療でないため、自費診療と同様に消費税の課税対象
<相続税>
・相続人:人ではないため、相続人にはなれず、遺言で渡すこともできません。
・お世話:ペットの面倒を見てもらうという負担付き贈与により、人に託すことはできます。
・財産 :ペットは動産として取り扱われるため、相続税の課税対象となります。財産評価基本通達上は売買実例価額や精通者意見価格(業者による査定額)等で評価しますが、法律上一般の方は売買できないので通常は評価しなくて差し支えないと考えられます。
<法人税・個人事業>
≪原則≫
・購入費、餌代等は経費になりません。
≪例外≫
・ブリーダーや猫カフェなど動物が事業そのものであれば当然経費になります。
・それ以外であっても事業との関連性が説明できれば経費になる余地はあります。例えば待合室に熱帯魚を飾っている、ペットを”看板”にしていてお客さんとの接点が日常的にある、治療のためのセラピー犬として貢献している、というようなケースです。
ペットのあり方も昔とは大きく変わっているので、税金での取扱いももう少し変わってもいいように思います。