海鮮丼7000円などインバウンド向けの高額な商品やサービスが「日本人には手が出ない」とニュースになっていますが、その波が税金の世界にもやってきました。
北海道のニセコ町で1泊最大2000円の宿泊税が11月から導入されます。
地方税法に基づいて全国一律で課税される地方税を『法定税』と言いますが、それとは別で、地方自治体が独自に条例で作れる地方税を『法定外税』と言います。
独自に作れると言っても”何でもあり”というわけではなく、総務相の認可が必要など一定のルールはあります。
宿泊税はその法定外税の1つで、2002年の東京を皮切りに、大阪府、京都市、金沢市など全国9つの自治体で導入されてきました。
これまでは数百円単位でしたが、パウダースノー目当てに世界中からインバウンド客が集まるニセコ町では最大2000円と従来より大幅に高くなりました。
<税額>
宿泊料金5001円未満 : 100円
5001円以上2万円未満: 200円
2万円以上5万円未満 : 500円
5万円以上10万円未満 :1000円
10万円以上 :2000円
当初は隣接する俱知安町と同じく定率(宿泊料金 × 2%)で検討されていましたが、北海道で100~500円の定額制の宿泊税が導入されることから、それに合わせる形で定額制となりました(定率と定額が混在すると現場の手間が増えることや、宿泊客も混乱することが予想されるため)。
つまり、ニセコ町では道と町合わせて最大2500円の宿泊税が課されることになります。
それでも富裕層の利用者が多いことから、需要に与える影響はほとんどないようです。
<対象>
・国内外の宿泊客(日本人も対象)
<税収>
約1億6200万円の税収が見込まれています。
ニセコ町の税収は約9.6億円なので町としては大きな収入と言えます。
ニセコ町ではあらかじめ使途が特定される『法定外目的税』として導入されますが、具体的には交通網の充実や観光案内のデジタル整備などへの使用が予定されています。
北海道では導入を検討している自治体が他にもあり、東京など既に導入している自治体でも引き上げが検討されています。
インバウンドで賑わうことは経済にとって大きなプラスですが、その分物価の上昇に拍車がかかる傾向がしばらくは続きそうです。