準確定申告 ①

posted by 2024.02.15

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 亡くなった場合の確定申告である「準確定申告」は、期限や添付書類だけでなく、経費の範囲も通常の確定申告と異なるため、留意が必要です。

 

1.期限

・納税亡くなってから4か月以内(相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内)

・還付亡くなった年の翌年1月1日から5年間提出可能

65万円青色申告特別控除のように期限内申告を要件とする規定もあるので、できれば4か月以内に提出するようにしましょう。

 なお、3月15日までに亡くなった場合には2年分の提出期限が同時に来ます。
例えば令和6年2月15日に亡くなった場合、令和5年分の確定申告期限と令和6年1月1日~2月15日の準確定申告期限の両方が6月15日になります。

 

2.提出

・提出先  :被相続人の住所地の所轄税務署

・提出義務者相続人(通常は連名で提出。別々の提出も可能)

 申告書の名前の欄には「被相続人○○ 相続人代表△△」というように代表者の名前を記入します。
電子申告の場合は被相続人のIDではなく、相続人のIDで提出します。
被相続人が電子申告をしていたから自動的にできるわけではなく、相続人のIDが別途必要です。

 相続人全員の名前は「付表」に記入します。
付表の中で相続人代表を指定して1人で納税することも可能ですし、法定相続分で分担することも可能です。

 還付申告で代表して1人が受け取る場合は「委任状」も必要となります。
昔の委任状には押印欄がありましたが今はなくなっていて、住所氏名を”自署”で書くようになっています。
相続人が遠方にいる場合などは早めに準備するようにしましょう。

 なお、準確定申告の結果、納税になった場合には相続税の申告では債務控除ができて、還付申告になった場合には相続財産として計上することになります。

 

3.資料収集

 通常の確定申告の場合、保険の控除証明書が10月末頃から届いて、年金の源泉徴収票が1月末に届くというように順番に書類が揃いますが、準確定申告の場合は待っていても何も届きません。
保険会社や年金事務所に連絡して、亡くなった日までの分で控除証明書や源泉徴収票を作成してもらいましょう。
給料の源泉徴収票は、死亡時に年末調整することもあって、すぐに発行されるケースが多いです。

 

 収入や経費の範囲については次回へ続きます。