災害により住宅や家財に損害を受けた場合には、所得税法の「雑損控除」を使うケースが多いですが、被害が甚大な場合には災害減免法により所得税を直接減額することができます。
1.対象資産
・住宅または家財
2.損失要件
・時価の1/2以上の損失
・保険金があれば控除後
3.軽減額
・所得500万円以下…全額免除
・所得500万円超 750万円以下…1/2軽減
・所得750万円超1000万円以下…1/4軽減
・所得1000万円超…軽減なし(雑損控除は所得要件なし)
4.注意点
・翌年以降への繰越しは不可(雑損控除は繰越し可)
・雑損控除と災害減免法はどちらかを選択
5.法人税での特例
<災害損失欠損金の繰戻しによる法人税額の還付>
・災害前2年(白色申告なら1年)以内に支払った法人税の還付申請が可能
<災害損失金額がある場合の仮決算の中間申告による所得税額の還付>
・中間申告では通常還付はありませんが、災害損失があれば所得税額の還付申請が可能
<被災代替資産等の特別償却>
・特定非常災害として指定された災害について、災害発生日から5年以内に代替資産を取得して事業の用に供した場合には、特別償却が可能
6.消費税での特例
<簡易課税の特例>
・災害の被害により簡易課税の適用を受けたい(やめたい)場合に、災害等のやむを得ない理由がやんだ日から2月以内に申請書を提出して承認を受ければ、簡易課税を使えます(やめられます)。
様々な規定で災害に関する特例が設けられているので、災害による被害が落ち着いたら税務署に相談して使える規定を確認するようにしましょう。