タンス預金の減少

posted by 2024.02.7

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 日経新聞にタンス預金が減っている、という記事が出ていました。

 減っている要因としては、物価高で貨幣価値が目減りしていること、生活費の補填、新紙幣発行などがあるようです。
現在の紙幣は2004年に発行されましたが、その時も7.5%タンス預金が減少しているので、今回も4兆5000億円のお金が同じように表に出てくる可能性があります。

 

 タンス預金は日本全体で約60兆円(1人あたり約48万円)あると言われていますが、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

<メリット>

・流動性が高く、すぐ使える
・ペイオフの影響を受けない
・相続の際に口座凍結されない
・マイナンバーとも無縁で国に把握されにくい
・へそくりなので家族に知られない

<デメリット>

・盗難や火災のリスク
・物価上昇時に価値が下がる
・金利が付かない
・相続でもめる可能性

 

 タンス預金は相続で問題になることもあります。
収入に対して預金残高が少なすぎると当然「どこへ行ったのか?」という話になります。
他の相続人がもらっているのか、タンス預金になっているのかという疑念が生まれると遺産分割協議の際にもめる要因になり得ます。

 税務署も同じように考えるので、相続人の預金残高や亡くなった方の預金の動きをチェックします。
例えば毎月生活費としては多すぎる金額を引き出していたり、亡くなる直前にATMで50万円ずつ引き出しているような場合にはタンス預金があることを想定します。
またお葬式でまとまった金額を払っていて、預金から引き出していなければタンス預金で持っていたことが考えられます。
税務調査が来るのは亡くなってから2~3年後なので、亡くなった当時のタンス預金の残高を税務署が知るすべはありませんが、状況証拠から推定していきます。

 

 メリットのところに「国に把握されにくい」とは書きましたが、税務署もそれほど甘くないのでよく考えて申告するようにしましょう。