税制改正大綱の最終回は末尾に記載のある”検討事項”です。
ここには改正したいけど時間切れや政治的要因などで繰り越されているものが載っています。
今後の方向性を読むヒントになるので内容を見ておきます。
1.物納制度の見直し
・老老相続など社会変化を踏まえて、納税者の支払い能力に応じた物納許可限度額の計算方法見直し
2.新築住宅の固定資産税減額
・住生活の安定を確保する観点から、地方税収の安定を前提にそのあり方について検討する(縮小?)
3.前年度とほぼ同じ内容
・年金課税 :拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討
・金融所得課税 :デリバティブ取引含めて更なる一体化
・小規模企業税制:個人と法人のバランス、各種控除の見直し
・自動車関係諸税:利用に応じた課税とカーボンニュートラル実現
・原油用石油製品等に係る免税、還付措置の本則化
・帳簿の電子化と適正公平な課税の実現
・医療への優遇のあり方を検討:事業税非課税や軽減税率
・インフラ企業の外形標準課税のあり方
4.検討事項以外で先送りされたもの
① 所得税の各種控除
・格差是正、所得再分配、働き方に対する中立性、子育て支援の観点から控除のあり方を検討
② 記帳水準の向上
・個人事業者は複式簿記が3割しかなく、給付金や融資の障害となっている。
・青色申告制度の見直しも含めて記帳水準向上に向けた検討を行う。
③ 免税販売の見直し
・免税購入された物品が大量に国内で横流しされている。
・販売時には消費税を徴収して出国時に還付する制度へ変更する。
去年の検討事項に書かれていた項目で今回改正されたものもあるだけに今後の動きが注目されます。