税制改正大綱も１２回目。主な項目の解説は終わったので細々した項目も確認しておきます。

 

(１) 防衛財源とたばこ税

① 概要

　防衛力強化のための財源については昨年の税制改正大綱にて法人税、所得税、たばこ税から捻出する方針が盛り込まれましたが、開始時期は「２０２４年以降」とぼかされていました。
今回の大綱ではタバコ税の見直し内容について記載はありましたが、時期は来年の大綱に持ち越されました。

② 内容

・加熱式たばこと紙巻きたばことの税負担差を解消する。

・たばこ税率を引き上げて１本３円相当の財源を確保する。

③ 適用時期

　２０２６年以降？

 

(２) 納税環境の整備

① 内容

＜電子申告＞（令和８年９月２４日施行）

・ＧビズＩＤを入力すれば電子申告ＩＤやパスワードが不要に。

・税務署からの通知を全て電子化

 

＜重加算税の対象拡大＞（令和７年１月１日以後に申告期限到来分～）

・仮装隠蔽による更正の請求も重加算税の対象に追加

 

＜脱税した場合の役員責任＞（令和７年１月１日以後の滞納分～）

・偽りその他不正の行為により免れた国税を会社から回収できない場合は、役員が受けた利益を限度として第二次納税義務を負う。

 

＜差押え解除期限の延長＞（令和７年１月１日以後の差押え額決定～）

・脱税の嫌疑で保全差押えできる期間を半年から１年に延長する。

 

　脱税した場合の処分を逃れている例があったため、穴をふさぐための改正が行われます。

次回が税制改正大綱の最終回です。