クラウドサービスの会計と税務

posted by 2023.09.28

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 電子帳簿保存法やインボイス制度に対応するため、中小企業においてもIT化を推進することが求められています。

 

 会計、給与、販売などのソフトウェアに関して以前はパッケージソフトを買ったり、システム開発することが多かったですが、最近ではクラウドサービスが主流となっています。
IT導入補助金でもクラウドサービスの利用料2年分が2023年分から対象になっています(以前は1年分)。

 

 ソフトウェア(販売用ではなく自社利用)とクラウドサービスでは機能が同じであっても会計処理や税務処理が異なります。

 

1.ソフトウェア(オンプレミス:自社運用)

<会計>

・将来の収益獲得や費用削減が確実であれば「ソフトウェア」として資産計上

・確実であると認められない場合は「通信費」等で費用処理

 

<税務>

・「ソフトウェア」として資産計上、5年で償却(将来の予想が恣意的になる恐れがあるため)

 

2.クラウドサービス

<会計>

・利用料は「通信費」等で費用処理(利用できるだけでシステムを保有していないため)

・導入時のカスタマイズ費用は「ソフトウェア」として資産計上、5年で償却

 

<税務>

・利用料は「通信費」等で費用処理

・導入時のカスタマイズ費用は「繰延資産」として資産計上、5年または契約期間で償却

 

 上場企業などの場合は各種会計基準に則って処理するため、上記の<会計>のように処理しますが、中小企業においては通常<会計>と<税務>を一致させるので、上記の<税務>に従って処理することになります。