税理士への委任状

posted by 2023.09.27

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 税理士に申告を依頼する場合には、「税務代理権限証書」という書類を申告書と共に税務署へ提出します。

 記載内容としては、どの税目のどの期間分を依頼するのか、税理士が複数いる場合は誰を代表とするのかといったことが記載されています。

 

 税理士制度が令和4年度改正で見直されたことにより、税務権限代理証書も来年4月から新様式になります。
改正の趣旨としては、依頼範囲の明確化、1枚の委任状で対応できるように集約、電子申告がメインとなったことによる効率化といった観点からの見直しとなっています。

 

 具体的には次の項目が税務権限代理証書に追加されます。

 

① 調査の通知・終了の際の手続に関する同意

 税務調査の開始及び終了の通知、終了時の説明を受けることを税理士に依頼するかどうかをチェックします。
従来はその都度税務署が確認していましたが、税理士が代わりに聞くことが多いため、代理権限証書に盛り込まれました。

 

② 税務代理の対象となる書類の受領に関する事項

 更正の請求、加算税、予定納税、インボイスの登録などを電子通知等で受け取ることを税理士に依頼するかどうかを記載します。
申告がほぼ電子になり、通知も電子で受け取ることが多いため、あらかじめ範囲を明確にして効率化します。

 

③ 委任状

 税務代理以外の納税証明書の受領、申告書及び青色決算書の閲覧等を委任する場合に記載します。

 

 ここまでは従来の代理権限証書への項目追加ですが、別で提出が必要になる書類があります。

 顧問契約が終了した場合、従来は税務署から問い合わせがあった時に「うちとはもう顧問契約してないんで」と説明していました。
次の申告書が出れば税理士が代わったことは分かりますが、期中に出す通知も増えることから、顧問税理士が代わったことを知らせる書類として「税務代理権限証書に記載した税務代理の委任が終了した旨の通知書」を提出することとなりました。

 

 税務権限代理証書は税理士が作ってそのまま出すことが多いため、納税者の方はあまり意識することはないと思いますが、記載内容も変わりますので一体何を委任しているのか改めて確認してみてもいいかも知れません。