企業型DCのメリットとデメリット

posted by 2023.08.18

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 前回の続きで企業型DCのメリットとデメリットについて確認します。

 

1.メリット

<運用面>

・会社が負担してくれた掛金で資産運用できる

・事務費も会社負担(iDeCoは本人負担)

・運用益が非課税(iDeCoと同様)

 

<税金面>

・一時金で受け取れば退職所得控除、年金で受け取れば公的年金等控除が使える(iDeCoと同様)

・マッチング拠出(※1)で従業員本人が負担した分は全額所得控除の対象

※1 マッチング拠出

会社負担分と従業員負担分を合わせて月55,000円(年間66万円)が上限。
従業員は会社負担分と同額までが限度なのでマッチング分は月27,500円が上限。
なお、他の企業年金がある場合の上限は半分の年間33万円。

 

<保険面>

・会社負担分は給料扱いにならないので、社会保険料負担が減る(※2)

※2 社会保険料

例えば役員報酬の一部を企業型DCに置き換えた場合、会社が負担する金額は同じでも、本人の額面での給料は減るので社会保険料が減ります。

 

2.デメリット(注意点)

<運用面>

・途中解約不可で原則60歳以降でないと引き出せない(iDeCoと同様)

・自分で運用する以上、元本割れのリスクあり(iDeCoと同様)

・iDeCoとの併用は可能だが、上限は変わらず

 

<税金面>

・選択制DCの場合、従業員は掛金か給料かを選べるが、給料を選ぶと通常どおり、社会保険料や所得税の対象となる

 

 企業型DCは加入時の手間や事務手数料がかかることが中小企業にとってのネックとなっていましたが、そういった課題をクリアした商品も出てきているので、今後は普及が進んでいくと考えられます。