最近、自動車保険と修理代に関することがニュースになっています。
不正請求は論外ですが、大手損保>中小整備工場の力関係からくる取引慣行も点検対象になっているようです。
いずれ保険料に跳ね返ってくる問題なので気になるところですが、今回は自動車保険関連の経理処置について確認をしておきます。
1.保険料支払時
<月払い・年払い>
(保 険 料)10万円 (預 金 等)10万円
なお、保険料には消費税はかかりません(含まれていません)。
損害をカバーするために入るものなのに消費税を課すのは酷という政策的な理由により「保険料を対価とするサービスの提供」は消費税が非課税とされています。
<複数年払い>
(保 険 料)10万円 (預 金 等)30万円
(前払費用)20万円
3年分を期首に払った場合、1年分だけがその年の経費になり、残りは保険の効果が出る翌年以降の経費になります。
2.保険金受取時
<保険を受け取って修理代を支払い>
(預 金 等)50万円 (雑 収 入)50万円 ※消費税不課税
(修 繕 費)50万円 (預 金 等)50万円 ※消費税課税
プラマイゼロになりますが、修理代は消費税の課税取引なので消費税が控除できる分、消費税負担が減ります。
保険金の受取りの方は事故により発生したもので、何らかの対価関係があるわけではなく、消費税は不課税となります。
<免責5万円のみ支払い>
誤:(修 繕 費) 5万円 (預 金 等) 5万円 ※消費税課税
お金を払ったのが免責の5万円だけだとこのような仕訳をしてしまいがちですが、厳密には間違ってますし、消費税も損をしています。
正:(修 繕 費)55万円 (預 金 等) 5万円 ※消費税課税
(雑 収 入)50万円 ※消費税不課税
修理代全体の55万円に含まれる消費税5万円を控除できるので、免責だけの仕訳より消費税負担は減ります。
免責がなく、全額が保険会社から修理工場に直接振り込まれる場合も同様です。
修理代全体の資料については保険会社はや車屋さんからもらう必要があります。
10月以降はインボイスに変わるため、このあたりの書類も分かりやすいものになると思われます。