どこまでが決算書?

posted by 2023.07.13

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 お客様からたまに次のような質問をいただきます。

「決算書を出してって言われたんやけど、どこまで出したらええの?」

 質問への回答の前にまず決算書とは何?というところから見ていきます。

 

1.決算書とは(広義)

① 貸借対照表
② 損益計算書(製造原価報告書含む)
③ キャッシュフロー計算書
④ 株主資本等変動計算書
⑤ 個別注記表
⑥ 附属明細書(固定資産、引当金、販売費及び一般管理費など)
⑦ 事業報告書
⑧ 勘定科目内訳明細書

 

2.会社の種類による要否

<上場>

・株主への情報開示の観点から、①~⑧全て必要

<非上場>

・義務化されていない③⑥⑦を除いた最小パッケージ

① 貸借対照表
② 損益計算書(製造原価報告書含む)
④ 株主資本等変動計算書
⑤ 個別注記表
⑧ 勘定科目内訳明細書

 

3.用途による違い

<税務署への提出>

・2の非上場と同じ
 つまり非上場の中小企業では税務署に提出が必要なものをそのまま決算書としているケースが多いです。
なお、⑤個別注記表については直接税額に影響しないので付いていなくても特に問題とされることはありません。

 

<銀行や取引先への提出>

① 貸借対照表
② 損益計算書(製造原価報告書含む)
④ 株主資本等変動計算書
⑤ 個別注記表
⑥ 附属明細書
⑧ 勘定科目内訳明細書

 附属明細書については、固定資産の償却明細を求められることがあります。
なお、銀行からは決算書の信憑性を高めるために法人税申告書(全体または一、四、五の抜粋)を求められることもあります。

 

 冒頭の質問に戻ると、最も狭義の決算書は①②④で、一般的には税務署に提出している①②④⑤⑧ということになります。