勘定科目内訳明細書

posted by 2023.07.14

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 前回、決算書の範囲について解説しましたが、どの会社で作成する「勘定科目内訳明細書」(内訳明細)についてもう少し掘り下げて見ていきます。

 

 内訳明細は法人税申告書の添付書類として提出が必要で、貸借対照表や損益計算書に載っている勘定科目の中身を記載する決算書類です。
全ての勘定科目について作成が必要なわけではなく、国税庁から公表されている次の16種類について作成します。

・資産:預貯金等、受取手形、売掛金、仮払金・貸付金及び受取利息、棚卸資産、有価証券、固定資産

・負債:支払手形、買掛金、仮受金・源泉所得税預り金、借入金及び支払利子

・損益:土地の売上高等、売上高の事業所別、役員報酬手当等及び人件費、地代家賃、雑益・雑損失等

 

 会計ソフトで作ると国税庁の書式に沿ったものができますが、必ずしも全く同じである必要はなく、エクセル等で必要な記載項目が入ったものを自分で作ってもOKです。
また国税庁からもエクセルのフォームが公開されているので、そこに入力してそのままCSV形式で提出することも可能です。

 

 現在の内訳明細の書式は、電子申告の義務化を見据えて平成31年4月から簡素化されています。

・記載件数を100件に制限

 従来は件数に上限がなく一定金額以上は全て記載というルールでしたが、上位100件でOKとなりました(実務的には適度にまとめていましたが)。

・支店、事業所単位が可能に

 従来は相手先ごとに記載していましたが、支店や事業所別の合計額で記載することも可能となりました。

・記入欄の削減

 貸付金、借入金、仮払金、仮受金、雑益雑損失等の科目で、記載項目や重複内容が削られました。

 

 内訳明細の記入方法やインボイス導入を受けての変更点は次回へ続きます。