新・電子帳簿保存法 ④

posted by 2023.07.11

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 電子帳簿保存法の最終回は新たなソフトやシステムを入れない場合の当面の対応です。

 

 まだまだ紙の請求書や領収書がメインで、たまにメール添付の請求書が届くぐらいであれば新たなソフトやシステムの導入には躊躇してしまいます。
その場合は手作業やエクセルの利用により、お金を掛けずに要件を満たしておいてしばらく様子を見ることも可能です。

 

<検索機能の確保>

① 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができる

② 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができる

③ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができる

 

<検索機能の確保の例外>

 以下の要件を満たせば検索機能の確保要件①②③が不要

・2年前(2期前)の売上高が5000万円以下又は電子データを出力した書面が日付及び取引先ごとに提示提出できるように整理されている

・税務調査の際に税務職員からの求めに応じて電子データをダウンロードできる(こっちだけなら②③が不要)

 

<具体的な方法>

(1) PDFファイルに規則性のある名前を付ける(検索機能の確保)
 例:令和5年7月11日に浅田商店から受け取った10万円の請求書
   ⇒「20230711_浅田商店_100000」

 または

(1)’エクセル等で索引簿を作る(項目は連番、日付、金額、取引先など)

(2)「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する(保存先はサーバーやクラウドサービスなど自由)

(3)「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程」を定めて運用する

索引簿や規程の例については国税表HPのQ&Aに出ています。

 

 量が少なければ(1)の方法で名前をその都度つけて、フォルダに掘り込んでいくのが早そうです。
量が増えてくれば(1)’で表にするか、それでも追い付かないとなるとさすがに電子帳簿ソフトやシステムを導入した方がいいかも知れません。

 

 いずれ宥恕規定(緩和措置)もなくなるし、データ管理により業務が効率化されそうということであればソフトやシステムを導入するのもアリだと思います。
その場合にも雰囲気に釣られて何となく導入するのではなく、自社に合うものを十分に検討した上で導入するようにしましょう。