消費税のインボイス導入まで3か月半。
撤回や緩和を期待する向きもありますが、さすがにこのままスタートしそうです。
申請件数は5月末で344万件で、課税事業者に占める割合は法人で94%、個人で66%に達しているようです。
現状で免税事業者の場合はひとまず3年は経過措置で様子を見るというところも多そうです。
インボイス登録していない事業者への支払いでも経過措置により、令和5年10月から3年間は80%、その後の3年間は50%を控除できます。
80%あるいは50%は控除できるとして、控除できない残りの20%あるいは50%はどう処理されるのでしょうか。
控除できない消費税という意味では昨日の「控除対象外消費税」と少し似た部分はありますが、処理は異なります。
<資産>
・控除対象外消費税:固定資産や繰延資産にかかるものは繰延消費税として5年で償却するという方法も選択可能
・インボイス経過措置:資産の本体部分に含めて減価償却により経費化
<仕入>
・控除対象外消費税:棚卸資産にかかるものはすぐ経費化可能
・インボイス経過措置:仕入の本体部分にまわるので在庫として残るとその年では経費化不可
<経費>
・控除対象外消費税:すぐ経費化
・インボイス経過措置:本体部分に含めてすぐ経費化
ただしインボイスの場合、控除できない部分だけ都度取り出して本体に含めるのは煩雑なので、「仮払消費税」として普通に計算して、決算時に控除できない部分だけ「雑損失」に振り替える方法もあります。
この場合、損金にならない部分は「減価償却超過額」や「棚卸資産に係る消費税否認」などの項目で申告上所得に加算する必要があります。
原則である本体に含める方法も、例外である「雑損失+別表加算」の方法もどちらにしてもややこしいので、システムの対応状況を見ながら処理を決めていくことになりそうです。