億ションと税金 ①

posted by 2023.05.15

kousou_building

 日経新聞の記事によると地方都市「億ション」(1戸1億円以上のマンション)が増えているようです。

 2022年のでデータでは東京、大阪、愛知以外の道府県での分譲戸数が452戸と10年前の6.8倍に増えています。
福井、高松、松江、旭川などの物件も順調に売れているようです。

 

増えている要因としては次のような点があります。
・地価や建築費の上昇
・利便性の高い駅前物件の人気
・投資用物件としての購入

 

 マンションは建物の割合が高いため、通常は値段が下がっていきますが、「億ション」のような物件は土地の割合が高いことや希少性などから値段が上がる傾向にあります。
1億円で買った物件が1億5000万円で売れたら5000万円に税金がかかるかというとそう単純ではなく、計算はもう少し複雑です。

 

 まず住んでいたのか貸していたのかで原価が変わりますし、控除や税率も変わってきます。
その他の違いや注意点も含めてマンション売却時の税金を確認します。

 

1.収入金額

<違い>

・居住用:消費税なし
・貸付用:建物に消費税あり

 自己の居住用であれば消費税の課税事業者でないため、消費税は発生しませんが、貸付用の物件であれば建物部分が課税売上げになります。
免税事業者であれば売った年に消費税の納税義務はありませんが、2年後に課税事業者になります(消費税は原則2年前の売上で判断)。
売却自体がイレギュラーで、2年後に課税事業者であることを忘れがちなので注意しましょう。
簡易課税が有利になる場合は事前に選択しておく必要があります。

 

 なお契約書上、土地と建物の内訳や消費税部分が明示されていない場合合理的な基準で按分することになります。
合理的な基準とは、固定資産税評価額の比率が最も一般的で、他には相続税評価や市場価格などを使って按分することも可能です。

 

(つづく)