インボイスのてんやわんやも少し落ち着いたようであまりニュースでも見かけなくなりました。
３月末現在で、法人は８割超で登録が終わっていますが、個人では約４割弱の登録に留まります。
まだまだ先なので近づいてから考えようと棚上げしていた個人事業主の方も多かったのですが、確定申告も終わっていよいよ決めようかという段階になっています。

 

　国税庁から新たに申請期限についてのお知らせがありました。

＜これまでの経緯＞

① ２０２３年１０月１日からインボイスを使うには２０２３年３月３１日が申請期限（事務処理期間を考慮）

② 提出が困難な事情があれば２０２３年３月３１日を過ぎてもＯＫ

③ ２０２３年９月３０日までに出せば２０２３年１０月１日付けで登録ＯＫ（困難な事情は書いてなくても可）

 

　現状の処理状況では、登録までに ｅ－ＴＡＸで約３週間、郵送で約２か月かかっています。
それまでは番号は付かないはずなんですが、③の場合はそれをすっ飛ばして前日提出でもいいというちょっと不思議な話になりました。
実務的には直前に提出した場合、１０月１日からしばらくはインボイスなしの請求書や領収書を発行して、インボイス登録番号が付いた時点で取引先に通知する、ということになりそうです。

 

　ギリギリまで登録するかどうかを検討できることにはなりましたが、次のようなケースでは既に「登録しない」という選択をしている方もおられます。

・お客様の多くが個人の消費者で領収書を求められることがほとんどない（買い手側で仕入税額控除しない）。

・賃貸物件のごく一部が事務所や駐車場で、値引きのリスクやダメージより事務手間や納税負担の方が大きい。

・そもそも非営利事業なので法人税も消費税も申告していない。

・経過措置の３年間は支払側でも８割控除できるので３年間は様子を見てみる。

　最後の経過措置については、３年後には控除割合が５割、６年後には０と縮小していくため、いずれ登録するかどうか、価格の見直しで対応するかといった判断をしていくことになります。