前回の続きで給与関係で４月からの変更点を確認していきます。

 

２．給与

① 雇用保険料

・本人負担　０．５％　⇒０．６％
・会社負担　０．８５％⇒０．９５％

　コロナ禍での雇用調整助成金により財源が不足したため、雇用保険料率が引き上げられます。
昨年１０月にも労使で０．４％上がっており、本人負担は２回合わせて倍になっています。

 

② 割増賃金（残業手当）

　１か月の残業時間が６０時間を超える部分は５０％以上の割増が必要ですが、これまでは大企業限定でした。
この４月からは中小企業にも適用されます。

・時間外手当：２５％
・深夜労働　：３５％
・休日労働　：３５％
・１か月の労働時間が６０時間超：５０％

 

③ 給料のデジタル払い

　キャッシュレス決済を推進する観点から、PayPayやLINE Payなどデジタルで給料を受け取ることが可能になります。
導入には労使協定の締結が必要で、デジタルでの給与支払を希望した従業員のみが対象です。

＜メリット＞

・会　社：手数料が安くなる。
・従業員：電子マネー等に移す手間が省ける。

＜デメリット＞

・会　社：振込みとデジタルが混在するので手間が増える。
・従業員：会社指定のデジタル口座に限られる。口座上限は１００万円まで。

 

　物価が上昇しているだけに、じわじわ手取りを削られる雇用保険料の上昇は痛いところですが、雇用調整助成金で助かった会社も多いため、やむを得ないかも知れません。