個人向け国債と税金

posted by 2023.03.24

money_kinri_agaru

 個人向け国債の販売が伸びているようです。

 2022年度の発行額は3兆4184億円で、前年度から15%増えています。
要因としては、コロナが落ち着いて販売の制約がなくなったことと金融緩和修正で金利が上昇して投資対象としての魅力が高まったことがあります。

 金利は変動金利型10年の3月募集分で0.33%と、つい1年ほど前まで0.1%未満だったことを考えると大きく上がっています。

 

 個人向け国債の概要と税金の取扱いについて確認します。

 

<金利>(令和5年3月募集分)

・変動10(変動金利型10年満期):0.33% 半年ごとに変動
・固定 5(固定金利型 5年満期):0.18%
・固定 3(変動金利型 3年満期):0.05%

 

<特徴>

・利払:年2回
・購入:1万円単位、証券会社や銀行で購入可
元本:保証(但し直近2回の利子が差し引かれます)
・換金:発行後1年間は原則中途換金不可
・募集:月単位で毎月15日頃発行

 

<利子への税金>

① 特定口座源泉徴収あり

・受取時に20.315%源泉徴収、確定申告不要

・特定口座内で上場株式等の譲渡損失と損益通算可能(平成28年以後発行分は上場株式配当と同じ取扱い)

② ①以外

・受取時に20.315%源泉徴収

・確定申告は選択(申告不要or申告分離課税)

・申告分離課税を選択すれば上場株式等の譲渡損失と損益通算可能

 

<譲渡益・償還益への税金>

① 特定口座源泉徴収あり

・確定申告不要(20.315%源泉徴収)

② ①以外

・確定申告必要(申告分離課税)

・上場株式等の譲渡損失と損益通算可能

 

 税金に関しては、上場株式に近い取扱いになり分かりやすくなっています。

 

 国債の金利が上がるということは国の借金が増えることにもつながるので、やや複雑な部分もありますが、元本保証で安全であることや定期預金より利回りがいいことから今後も販売は増えていきそうです。