前回の続きで小規模事業者持続化補助金の詳細について見ていきます。
<コース>
① 通常枠
経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援
② 賃金引上げ枠(特別枠)
販路開拓+事業場内最低賃金を30円引上げ。
申請時と事業終了時との差額が30円以上で、申請時点で地域内最低賃金を上回っている必要あり。
③ 卒業枠(特別枠)
販路開拓+雇用増で小規模事業者の規模を”卒業”
事業終了時点で、雇用を増やして小規模事業者の従業員数(商業サービス業で5人以下、それ以外で20人以下)を超えることが条件。
③ 後継者支援枠(特別枠)
販路開拓+アトツギ甲子園のファイナリスト又は準ファイナリスト。
経産省のイベントである「アトツギ甲子園」にエントリーしていて上位に選ばれることが条件。
「アトツギ甲子園」は39歳以下の中小企業後継者によるビジネスアイデアのコンテスト。
④ 創業枠(特別枠)
販路開拓+産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受けて創業。
過去3年以内に市町村等の認定を受けて創業していることが条件。
⑤ インボイス特例
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間に免税事業者であって、インボイス登録により課税事業者となった場合に50万円を上乗せ。
補助金が200万円になる特別枠のうち、③④は該当するケースが限定的なので、①賃金引上げ枠か ②卒業枠を狙っていくケースが多そうですが、事業終了時点で条件を満たしていなければ、①通常枠の50万円が補助されるわけでなく、不採択として0円になります。
<補助対象経費>
① 機械装置等費:補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等
② 広報費:新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
③ ウェブサイト関連費:ウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修、開発、運用に係る経費
④ 展示会等出展費:展示会・商談会の出展料等
⑤ 旅 費:販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
⑥ 開発費:新商品の試作品開発等に伴う経費
⑦ 資料購入費:補助事業に関連する資料・図書等
⑧ 雑役務費:補助事業のために臨時的に雇用したアルバイト・派遣社員費用
⑨ 借 料:機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
⑩ 設備処分費:新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
⑪ 委託・外注費:店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)
設備投資や広告費、営業活動費など幅広く対象になります。
<申請の流れ>
・申請は電子又は郵送
電子申請は経産省のJグランツ経由で、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要。
・補助事業実施期間中に事業を実施。補助事業実施期間は2023年6月1日締切の第12回の場合で2024年4月30日まで。
・実績報告書提出(事業終了後30日と最終提出期限の早い方)
・補助金の請求と入金
・事業結果報告(事業完了から1年後)
それなりに手間はかかりますが、報告が1年後だけで済むのはマシな方かも知れません。