専従者給与Q&A②

posted by 2023.03.16

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 前回の続きで専従者給与の詳細についてQ&A形式で見ていきます。

 

Q5.専従者給与はいくらまで支払える?

A5.特に基準はなく仕事に応じた妥当な金額まで支給できます。

 とは言え、多すぎると税務調査で指摘を受けます。
目安は「第3者に同じ仕事をしてもらったらいくら払いますか?」です。
業種や仕事内容に寄りますが、実務的には20~30万円が一般的で、多くて50~60万円といったところでしょうか。

 役員報酬の場合は「委任契約」であって労働の対価ではないため、ある程度柔軟な設定ができますが、専従者給与の場合は労働の対価として第3者と比べて妥当かどうかという見方をされます。

 

Q6.賞与と退職金はある?

A6.賞与はOK、退職金はNG

 専従者給与の届出書に賞与を書く欄があるので、金額を入れるか、月給の何か月分といった書き方をしておけば支給できます。
退職金については退職の線引きが難しいこともありますし、退職所得としての優遇まではできないといった理由で支給できません。

 

Q7.事業専従者の社会保険

A7.加入不可

 社会保険は雇用契約を前提としているため、専従者は該当せず加入できません。
所得税の中では特例として給料扱いですが、社会保険の中では”共同事業者”のような扱いになっています。

 

Q8.事業専従者と労働基準法

A8.労災や雇用保険がなく、最低賃金もありません。

 やはり雇用契約でない以上、労働基準法の適用は受けません。
退職という概念がないため、失業手当もありません
失業手当はしょうがないといても業務中のケガには備えておきたいところです。
労災については労働保険事務組合を通じて特別加入をすることは可能です。
あるいは民間の傷害保険もそれほど保険料が高くないので加入することも一つの方法です。

 

 専従者給与の独自性を考慮しながら活用するようにしましょう。