NFTと税金 ①

posted by 2023.02.21

2549477_s

 マラソンを完走すると普通は完走メダルを受け取りますが、先日行われた京都マラソンでは完走メダルに加えて「完走記念NFT」が贈られたそうです。

 

 NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン上でデジタルデータに唯一の性質を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能をもつトークンをいいます(国税庁)。
”Fungible”は”代替可能な”という意味なのでNFTを直訳すると「非代替性の暗号資産」ということになります。

 暗号資産というとビットコインなどが浮かびますが、ビットコインは貨幣のようにどれも同じで”代替可能”です。
分かりやすいモノで例えると、大量生産したTシャツはどれも同じですが、スポーツ選手のサインが入れば一点ものとして価値が発生します。
Tシャツだと本物かどうかの判断が難しいですが、NFTの場合はブロックチェーンを使ってデジタル的に本物であることが証明できます。

 

 改ざんやコピーができない、価値の移転が容易であるといった特徴によって、ゲームのキャラクター、トレーディングカード、アートなどから利用が始まり、会員証や卒業証明書など様々な用途での利用が拡がっています。

 世界的にはデジタルアートが90億円で売買されたり、ツイッター創業者の初ツイートが4億円近くで売買されたりと高額な取引も増えています。
日本でも日本郵便が発売した切手NFTが1分で完売したというようなニュースもありました。

 

 急速にNFT取引が拡がっていますが、国税庁としてもルールを定めないと課税ができないことから、令和5年1月13日付けで『NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)』を公表しています。

 最初に紹介した京都マラソンの完走NFTについては、本人の記念にはなりますが、売れるかというとそこまでの価値はないので受け取ったことに関して税金は発生しません。

 

 国税庁のQ&Aの詳細については次回見ていきます。