新事業を始める際に会社を設立することがあります。
この場合に会社で出資するのと個人で出資するのとではどういう違いがあるのでしょうか。
<配当>
・共通…20.42%の天引きは個人でも法人でも変わりません。
・個人…年間10万円以下なら少額配当として申告不要。10万円超なら総合所得で課税(15~55%)
・法人…金額に関わらず法人税課税(約25~35%)。完全子会社なら100%益金不算入で二重課税排除、出資割合に応じて益金不算入割合が変動。
⇒配当が大きい場合や1/3超出資する場合は法人が有利。なお役員になっている場合は役員報酬として分配を受ける方法もあります(支払った会社側も経費)。
<売却>
・個人…譲渡益に20.315%の分離課税
・法人…譲渡益に法人税課税(約25~35%)
⇒売却時は個人なら税率が一定で税負担が少なくなります。
<倒産等>
・個人…単なる投資の失敗で経費処理不可
・法人…出資先が倒産等で清算した場合は経費処理可能
⇒倒産等した場合は法人なら経費処理可能です。逆に子会社の業績を親会社に影響させたくない場合は個人の方がベター。
<相続税>
・個人…株価が上がると株を相続する際に相続税負担が発生します。
・法人…相続の概念なし。ただし株価が上がれば親会社の株価も上がります。
⇒個人の財産を増やさないという意味では法人の方がベター。
税金を中心に考えても様々な判断ポイントがあります。
何を優先するかで法人で出資するか個人で出資するかを決めていくことになります。