前回の続きで国税庁のQ&Aを解説しながらNFTの税金の取扱いについて見ていきます。
<所得税>
Q1.自分で作ったデジタルアートをNFT化して販売
A1.雑所得(譲渡収入-必要経費)
必要経費にはデジタルアートをNFT化する際にかかった経費や販売のための経費が含まれます。
なお、デジタルアートの制作費そのものは原価や経費に含まれません。というのも販売したのはデジタルアートの閲覧権であって、アートそのものではないためです。
雑所得なのでマイナスが出ても給与や不動産など他の所得との損益通算はできません。
また対価をお金ではなく暗号資産等で受け取る場合もありますが、その場合は暗号資産等の時価が譲渡収入となります。
Q2.自分で作ったデジタルアートのNFTを友人にプレゼントした
A2.課税なし(収入がないため)
なお、法人が同じことをした場合には時価相当額が法人の売上になります。
Q3.購入したNFTを転売した
A3.譲渡所得(総合課税)
総合課税の譲渡所得として扱うため、50万円の特別控除があります。
税率は他の所得と合算して15~55%(住民税含む)の範囲でかかります。
なお、営利を目的として継続的に販売する場合には事業所得又は雑所得に該当します。
Q4.商品購入時に特典としてNFTをもらった(次回購入時に使用可能)
A4.経済的価値があれば一時所得
NFTを無償で取得したことによる経済的利益があり、法人からの贈与であるので一時所得に該当します。
一時所得なので50万円を控除して、さらに×1/2したものに課税されます。
なお、暗号資産など財産的価値を有する資産と交換できないなどの理由により、時価の算定が困難な場合には時価は0円となり、課税はありません。
Q5.ゲームをしてゲーム内通貨としてNFTを受け取った
A5.雑所得 ただしゲーム内でしか使えない場合は課税なし
NFTは時価評価することによって円の所得として把握しますが、その都度ではなく年間トータルで獲得したNFTを年末レートで換算することもできます。
長くなるので相続税や消費税の取扱いについては次回へ続きます。