先週の続きで退職金制度のうち、「3.確定給付年金」と「4.確定拠出年金」について見ていきます。
3.確定給付年金(DB)
<概要>
・企業が信託銀行など外部に積み立てて運用(掛金は経費)
・給付額が予め決まっており、運用リスクは企業が負う
・退職年金でもらうのが一般的だが一時金にもできる
・給付される年金が決まっていて、掛金が変動するので”確定給付”
<メリット>
・運用実績悪ければ企業が穴埋めするので従業員にはメリット、企業にはデメリット
<デメリット>
・低金利の現状では想定通りの運用が難しい
4.確定拠出年金(DC、401k)
<概要>
・企業が信託銀行など外部に積み立てて従業員が運用(掛金へ経費)
・従業員が上乗せで掛金を拠出することが可能(掛金は所得控除)
・拠出額が決まっていて年金は運用により変動する
・退職年金でもらうのが一般的だが一時金にもできる
・拠出する掛金が決まっていて、もらう年金が決まってないので”確定拠出”
<メリット>
・運用リスクを従業員が負うので、企業に責任がなく積立不足も発生しない
・従業員が自由に運用できる
<デメリット>
・従業員に投資教育が必要。人によってもらう年金に差がつく
<個人型>
・個人で加入できる確定拠出年金がiDeco。金融機関も従業員が選ぶ
・掛金は全額従業員負担(掛金は所得控除)
・2022年10月から企業型DCとiDecoの併用が可能に(企業型と合わせて月5.5万円まで。上限2万円)
低金利で運用が難しいことから企業型DCに移行する企業は年々増えていて、加入者の約45%を占めるまでになっています。
iDecoとの併用も認められるようになるため、ますます企業型DCが増えていきそうです。
次回は退職金と税金について見ていきます。