退職金制度とは ①

posted by 2022.04.22

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 退職した際に支給される退職金は給料のように必ず支給しなければならないものではなく企業独自の制度です。

 そのため退職金制度を廃止する大手企業もあれば、制度自体がない中小企業もあります。
退職金制度がなくても貢献度に応じて退職金を支給できますが、決算内容や資金繰りへの影響も大きいため、中小企業においてもいかに退職金に備えるかという点は重要です。

 

 現状の退職金制度は大きく4つに分かれます。

1.退職一時金
2.退職金共済
3.確定給付年金
4.確定拠出年金

 他に「適格退職年金制度」「厚生年金基金」などがありますが、退職金制度の再編整理によりなくなったため今は新規加入することはできません。

 

 現行の4つの制度について内容を見ていきます。

1.退職一時金

<概要>
・退職時に一括して退職金を支給。
・基準については退職給与規程に定める。「基本給 × 勤続年数 × 係数」で計算するのが一般的。

<メリット>
・企業が金額を自由に設定できる。

<デメリット>
・税引後の内部留保を積み立てるので積み立て段階で法人税負担がある。

 

2.退職金共済

<概要>
・外部の共済機構に積み立てた金額が従業員に直接支払われる。
・代表的な制度である中小企業退職金共済(中退共)の掛金は1人月3万円が上限
・一時金ではなく年金形式で受け取ることも可能。

<メリット>
・掛金の拠出が損金になる。

<デメリット>
・従業員に直接支払われるので、懲戒解雇であっても減額が難しい。

 

「3.確定給付年金」と「4.確定拠出年金」については次回へ続きます。