ふるさと納税のワンストップ特例制度

posted by 2022.02.25

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 前回はふるさと納税の基本的な仕組みを解説しましたが、その後手続きを簡素化した「ワンストップ特例制度」が2015年4月に導入されています。

「ワンストップ特例制度」サラリーマンや年金受給者がふるさと納税が5か所以下なら確定申告することなく控除が受けられる仕組みです。

 

<限度額の算式>

① 所得税の所得控除+② 住民税の税額控除(基本)+③ 住民税の税額控除(特例)

 限度額は当然変わりませんが、ワンストップ特例制度の場合、①の所得税の所得控除はゼロで住民税だけから直接控除されるのでシンプルです。

 

<注意点>

・同じ自治体に年に何度も寄付した場合も1か所でカウントできます。

・特例を受けるためには申請書を自治体に郵送する必要があります。用紙は自治体に送ってもらうか、総務省HPやふるさと納税サイトからダウンロードします。添付書類としてマイナンバー(カードか通知書か住民票のコピー)と本人確認書類が必要です。

申請書は翌年1月10日までに必着です。

ワンストップ特例制度を選択していて、住宅購入や医療費などで確定申告する場合は特例はリセットされます。その場合、原則に戻って自治体から送られてくる寄付の証明書を添付します。

・ワンストップ特例制度と確定申告は併用できません。5か所まで全て特例か全て確定申告のどちらかです。

 

<住民税への影響>

 住民税は税金を計算しているだけではなく、保育料や高校無償化を判定する際などにも使います。
ワンストップ特例を使うと住民税を直接控除しますが、保育料や高校無償化にメリットはあるのでしょうか。

 答えはNO
高校無償化に関してはかつてはワンストップ特例で住民税所得割を下げる効果がありましたが、2020年7月以降は税額控除前の所得割で判定するように変更されました。税額控除にはふるさと納税だけでなく、配当控除や住宅ローン控除も含まれます。
保育料に関しては従来から税額控除は考慮されていなかったので、ふるさと納税によって安くなることはありません。