広告宣伝費は経費にしやすいイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
周辺経費との違いや注意点、仕訳などについて確認しておきます。
1.定義
数ある経費の中の一つなので特に税務上の定義はありません。
税務上は交際費との区分が必要なケースがあるので交際費のところで少し登場します。
<措置法通達61の4(1)-9(要約)>
不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図するものは広告宣伝費の性質を有するものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。
・一般消費者に抽選で交付する金品や旅行観劇等の費用
・商品を購入した一般消費者に交付するプレゼントの費用
・一般の工場見学者等の試食試飲費用
・得意先への見本品や試用品の提供費用
・一般消費者へのモニター謝礼
提供先が一般消費者であることが一つのポイントですが、次のような商品の製造販売業者との関係は”一般消費者”には該当しません。
・医薬品 ⇒医師、病院
・化粧品 ⇒美容業者、理容業者
・建築材料 ⇒大工、左官などの建築業者
・農業用資材⇒農家
・機械工具 ⇒鉄工業者
見本品や試用品は別として、個別にBtoBの取引先へ金品を提供する場合は交際費に該当します。
2.資産計上の要否
① 商標登録
ロゴマークなど商標として登録される場合は長期にわたって効果が持続するため無形固定資産として資産計上(耐用年数10年)されます。
なお10万円未満の場合や30万円の少額減価償却資産に該当する場合はすぐ経費になります。
② ホームページ
企業や商品の紹介など情報発信の機能のみであれば看板と同じようなものなので金額にかかわらず経費になります。
ただし、次のようなプログラムの要素がある場合は「ソフトウェア」として資産計上(耐用年数5年)する必要があります。
・商品データベースの検索機能
・会員としてのログイン機能
・オンラインショッピング
・ネット予約の機能
③ パンフレットやカタログ
会社案内や商品を紹介するパンフレットやカタログは広告宣伝費として経費になります。
ただし決算期末に在庫として残った場合は「貯蔵品」として資産計上して翌期に繰り越します。
④ CMや雑誌広告
CMや雑誌広告は一般消費者向けのものであるため、高額であっても経費になりますが、放送(掲載)時期には注意が必要です。
放送や掲載がされた時点で広告の効果が発生するので決算期末ギリギリに支払いだけして放送や掲載がまだであれば経費になりません。
決算上は「前払費用」として処理します。
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ここで広告宣伝費の解説の流れからの宣伝です。
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