ラップ口座とは

posted by 2021.10.20

rapper

 「ラップ口座」という言葉を耳にする機会が増えました。
ラップは音楽の”rap”ではなく、包む方の”wrap”で、投資家が金融機関に資金を預けて、投資一任契約に基づいて資産運用を包括的に任せるサービスです。

 

 ラップ口座の残高は年々増えていて、2020年末で残高が10兆5891億円、契約件数も113万円8650口座といずれも過去最高となっています。
契約が増えている背景としては、株の上昇傾向が続いていたこと、金融機関としては手数料で稼げて富裕層を囲い込めること、投資家としては知識がなくてもプロに”お任せ”で運用してもらえることなどがあります。

 

 商品としては、投資信託だけで運用する「ファンドラップ」債券や株式なども運用対象とする「SMA」といったサービスが提供されていて残高の9割超がファンドラップと言われています。
ラップ口座はある程度まとまった資金を預かるサービスであるため最低運用額が決まっていて、SMAは数千万~数億円、ファンドラップは数百万円からとなっています。
ファンドラップの方が小口で10万円単位で利用できる商品もあり、個人投資家に向いている商品と言えます。

 

 一方、課題としてはコストの高さがあります。
ポートフォリオの構築や運用アドバイスの対価である口座管理手数料、投資信託の運用にかかる信託報酬売買の際の手数料などがかかり、資産の3%近くになることもあります。
利回りについては年利10%という謳い文句も見られますが、実際に発表されているのは高いもので8%前後、それ以外は4%前後のものが多く、決して高いとは言えないかも知れません。

 

 ラップ口座の税金についてですが、投資信託であれば単純に譲渡所得の源泉分離課税で20.315%と思いきや、そうではなく通常と異なる取扱いがあります。
長くなるので税金の取扱いは次回へ続きます。