コロナの波が収まっているとは言え、可能な限り接触機会は減らしたいところです。
法人の税務調査は短くて丸2日、長ければ1か月以上会議室にこもることになるのでそれなりに密な状況となります。
そういった納税者の心理を踏まえて、令和2年10月より国税局所管の大企業を中心にリモート調査が行われており、3月までの半年間でその割合は2割超となったようです。
コロナ収束後も効率化の観点からリモート調査は残る可能性があるので、現状でのリモート調査の状況を確認しておきます。
<第1段階> 臨場・対面型抑制調査(大)
・時期:令和2年10月~
・対象:国税局調査課所管の法人(原則資本金1億円以上)
・形態:調査官は本社に来社。会議室にこもって本社経理部や支社担当者からWEB会議システムで聞き取り
・条件:納税者が通常業務において機密性の高い情報のやり取りを含めて利用しているWEB会議システムを使って、セキュリティポリシーの範囲内で活用する。
<第2段階> 臨場・対面型抑制調査(中小)
・時期:令和3年7月~
・対象:税務署所管の法人
・形態:第1段階と同じ
・条件:第1段階と同じ
<第3段階> リモート調査(大)
・時期:令和4年10月~(予定)
・対象:国税局調査課所管の法人
・形態:国税局が本社を訪問してパソコンを設置。その後は来社せず国税局のWEB会議システム前に呼び出す形で聞き取り
・来社:固定資産の稼働状況の確認など必要に応じて現場へ来社
<共通する前提条件>
・納税者からの要望、同意がある。
・機密性の高い情報のやり取りが行われることやシステムの脆弱性に起因するリスクがあることを納税者が理解している。
リモート調査は、支店担当者からのヒアリングがしやすいといったメリットがある一方、意思疎通が難しい、資料のどこを説明しているかが分かりづらいといったデメリットも指摘されています。
第3段階ではそういったデメリットも解消できるようなシステムの構築が期待されます。
ところでリモート調査では税理士はどこにいることになるのでしょう?
やはり会社に行って説明の仕方や書類提出のサポートをすることになりそうです。