非上場株式の売買 ① 税金

posted by 2021.09.9

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 日経平均が5か月ぶりに3万円を超えたことがニュースになっていましたが、様々な思惑もあり株式市場は活性化しているようです。

 上場株式の売買については市場で株価が決まり、税金については分離課税(20.315%)で課税されます。
では非上場株式の売買についてはどのように株価が決まり、どう税金がかかるのでしょうか。
代替わりなどの影響で非上場株式の売買についてご質問を受けることも増えています。個人株主を前提にまずは売買時の税金から見ていきます。

 

<税率>

・20.315%(国税15.315%+地方税5%)で上場株式と同じ

 

<確定申告>

・特定口座なし

上場株式は特定口座で「源泉徴収あり」を選択していれば、自動的に税金が源泉徴収されるので確定申告は不要ですが、非上場株式にはそのような制度はありません。

・申告不要になるケース

譲渡損であれば申告不要ですが、利益が出ていればたとえ少額でも確定申告は必要です。
株式の譲渡以外に全く所得がなく、基礎控除(48万円)以下の利益であれば税額が出ないので申告不要ですがケースとしては稀だと思います。

・取得費

いくらで買ったか分からない場合は5%を取得費とすることができます。
少なくとも会社設立時には額面金額の払い込みは行われているはずなので、額面金額と5%を比較することになります。
相続や贈与で取得している場合も前の人の取得時期や取得価額を引き継ぐので額面金額を使うことができます。

 

<上場株式との違い>

・繰越控除不可

損失が出たとしても繰越控除の制度はありません。

・損益通算

損益通算できるのは同じ年に発生した非上場株式の譲渡益だけです。
上場株式であれば配当と通算できますが非上場株式では不可です。
また給与や不動産など他の所得とも損益通算はできません。

 

 次回は株価の決め方について見ていきます。