税務署の銀行照会

posted by 2021.04.26

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 税務署と銀行がどうつながっているか、ということを時々質問されることがあります。

 

 税務署は調査で必要であれば、特に納税者に許可を得ることなく職権で通帳の内容(口座の有無や取引明細)を見ることができます。
申告している当事者の口座だけでなく、相続税の場合などは親族全員の口座もチェックしています。
ただし、通帳の動きを何でもかんでも見られるわけではなく、必要な部分を銀行に対して照会をかけて内容の確認をします。

 

 従来はこの銀行照会を書面で依頼して、書面で受け取っていたので2週間ほど時間がかかっていました。
税務署側では照会文書の作成、データの入力、書類の保管などで手間がかかり、銀行側でも預金の特定、書類の作成や発送などで手間がかかっていました。
そこで昨年、神奈川と福島の税務署でオンライン照会の実証実験が行われ、回答までの期間が平均2.5日と大幅に短縮されたようです。
この結果を受けて、今年の10月から全国でNTTデータのシステムを利用したオンライン照会が導入される予定です。

 

 税務調査への影響としては、調査期間が短縮されることのほか、銀行照会にかかる手間と時間が減ることから、ハードルが下がり従来よりきっちり確認できるようになることが想定されます。
なお、銀行で口座に関する情報を保管しているのは10年なのでそれ以前のものは調べようがありません。